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蒼に手を引かれたまま、廊下に出た。
『えっ?
蒼…っ』
てっ、て、手?!
そんなのを全く気にしていない蒼は、隣の教室にツカツカと入っていく。
もちろん、2人の手はしっかりと結ばれたまま。
ひぃー!
皆見てんじゃんッ!!
ショートホームルームが始まる直前でもあるからほぼ全員が席に着いてるし…
蒼は目立つから、一緒に歩くといつも注目の的。
こそこそと影で過ごすことが身に付いていた私にとって、注目されるのは苦でもあった。
って言うか、このクラスに一体何の用があるの??
首を傾けて蒼の目指す先を確認しようとするが、机が邪魔で前がよく見えない。
窓側の真ん中の所まで行くと、蒼の足が止まった。
"その隙に!"と、慌てて前方を確認した。
この人…
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◇back*
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