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「やっぱりか…
こんなの一体誰が?」
健介クンの言葉を筆頭に、皆が一斉に集まってきた。
「酷すぎだよね!」
「谷口はこんなやつじゃないって信じてたし。」
「お前、谷口が可愛いからって態度変えすぎじゃね?」
「蜜香チャン眼鏡ない方がぃぃって。
嫉妬でイジメじゃないの?」
「最低!!
蜜香チャンは気にすることないよ!」
女子を中心として、私の周りには一斉に円が出来た。
"酷いよ!"
の声に、胸がジュクジュク熱を帯び始める。
「蜜香ぁーー!
よく頑張ったねッ!!」
勢いよく飛び込んできた光に対応できず後ろに倒れそうになり、蒼の胸に背中がぶつかった。
『光、ゴメンね?』
「何謝ってんの?
本当良かったね!」
泣きながら抱きつく光を、ギュッと抱きしめ返す。
言って良かった。
勇気を出せたのは、光や蒼のお陰だけれど。
「で?
お前はどぉするかわかってんだろ?」
今まで隅で黙っていた夏樹クンが、険しい顔で突っかかってきた。
頭だけ上に向けると、同じくらい真剣な顔をした蒼が小さく頷いていた。
「蜜香、ちょっと来て。」
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