7
教室の中を見回すと、心配そうに眉を下げる光と目が合った。
また、泣きそうな顔させちゃった…
大きく深呼吸をすると、もう一度蒼を見てからクラスの皆と向き合った。
『眼鏡は、ダテなんだ。』
感覚のなくなった手で、眼鏡をはずす。
同時に、肩に置かれた蒼の手が強くなったのを感じる。
『だけど、これは…
遊んでる…とか、そんなつもり……はない。
これは、嘘なの。』
言えた。
詰まりながらも、言い切った。
やれば出来るじゃん。
蒼の手が、頭をそっと撫でてくれた。
光を見ると、唇を震わせながら泣いている。
いつの間にか帰ってきた夏樹クンも、ムスッとした顔をしつつも目が合えば笑ってくれた。
これを皆が信じてくれたかはわからないけど、逃げずに言えたこと、こぉして信じてくれる友達がいること、それで十分だ。
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