[携帯モード] [URL送信]




教室に飛び込んできたのは、怒りを露わにした蒼だった。


気付けば健介クンと私の間に割り込み、健介クンの手をベリッと剥がした。

危険な物でも触るように、そっと肩を抱かれる。


顔を上げれば、不安が揺らぐ瞳と目が合った。



何で来てくれたの?



私のこと避けてたんじゃないの?



何も聞かなくても、その瞳でわかる。


あれだけ不安だったのに、一瞬で吹き飛んでしまう不思議なパワー。

蒼が来てくれたことで、何だか力が湧いてくる気がする。


「こんなの嘘に決まってんだろ?!

行こ。」



皆に怒鳴る蒼の、シャツの裾を引っ張った。



『待って…』


蒼の肩がピクッと動き、不安そうに振り返った。


目を合わせて合図すると、少しだけ頬を上げて頷き返してくれた。



.

◇back*◇next#

6/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!