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そんなの、1つしかない。
昨日の娘だ。
「くそッ!」
夏樹クンは、ドアを乱暴に蹴って出て行ってしまった。
何とかしなくちゃ…
頭では思っているのに、体が全く動かない。
ただ、小刻みに震えるだけ。
こんなの嘘だってわかっているのに。
ここで何も出来なきゃ、あの娘の思うつぼでしょ?
あの頃だってそう。
こそこそする必要なんてなかったんだから…
クラス中の視線が私に集まっているのがわかる。
何か言わなくちゃ…
プレッシャーばかりが、私の中を駆け抜けていった。
「蜜香ッ!!」
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