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「真実じゃないなら、はっきりしないと。」
にゅっと夏樹クンの影から現れたのは、予想通り健介クンだった。
手を強い力で引っ張られ、夏樹クンの前に連れて行かれる。
『え?ちょっと…』
躓きながら教卓の真ん中に立たされると、教室にいる皆が私を見ていることに気付いた。
この感じ…
あの時みたい……
「これ。」
小刻みに震える手を握りしめ、健介クンが指さしたそこを目で追った。
『な…に、これ……?』
"メガネで素顔を隠しているが影ではヤリまくり!
谷口ミカに騙されるな"
黒板に赤いチョークで大きくかかれた文字。
震える足が邪魔をして、自分の足じゃないみたい。
危なげに教卓に寄りかかる私を、手を伸ばした健介クンが支えてくれた。
「朝から書いてあったんだ。
心当たりは?」
『ッ!!』
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