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教室に入るまで、私は上の空だった。


電車の中も、昨日も、あんなに笑っていたのが嘘みたい。



"あー"とか"うん"とか、適当な相槌をうっていたけど、夏樹クンの話は全く頭に入って来なかった。





蒼の教室の前を通った時、もしかしたらいるんじゃないかと姿を探してしまい、いないのがわかると溜息をつく。



これが無意識だからどぉしよぉもない。






「そんなに気になるの?」


教室に入ろうとする直前、夏樹クンが腕をつかんで言った。



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