5
電車が光の乗る駅に止まった時、私たちは2人掛けのシートに座り、ケラケラ笑っているところだった。
『あ、光おはよ。』
「神崎サンおはよう。」
と、お腹を押さえながら2人で挨拶をする。
光の目は夏樹クンに止まったまま、探るような視線を向けている。
「2人、付き合ってるの?」
『「違うから!」』
ぴったりと重なった声に、再び笑いが訪れる。
「じゃぁ、何でここにいるの?」
1人蚊帳の外で訳の分からなくなった光は、頬をぷくっと膨らませて、向かい合った席に腰を下ろした。
そんなの、私だって何故かはわからない。
でも、きっと夏樹クンなりの優しさだから…
「それは秘密。」
そぉやってはぐらかして、昨日のことを黙っていてくれるのも。
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