[携帯モード] [URL送信]




そっと上げた視線の先には、さっきの黒髪の人。


その綺麗な瞳は、案の定、光に向けられて…




いない!




私の顔をじっと見つめ、王子様みたいな微笑みを向けてくる。



彼の後ろには、あんぐりと開けられた2つの口。

そして、彼をじっと見つめる光。



真面目チャンな私に話しかけるのは、クラスメートか光に興味がある人だけ。


こいつは…



嫌がらせ?



面倒なのは、中学でこりごり。




『谷口。』


軽く睨みつけながら、それだけを伝えた。



「谷口、何チャン?」


それでも怯まずに名前を聞いてくるソイツ。


自分から名乗らないなんて失礼じゃん、と愚痴をこぼすと、

「1−Cの戸塚蒼。

蒼って呼んでね。」


語尾にハートマークを付ける始末。


絶対に呼ばないと啖呵を切ってやろうとした時、


「じゃ、"蜜香"も、5人で行こ?」

立ち上がりかけた私に腕を絡め、光が答えた。



はい??



「ミカチャンね?

決まり!」

とにっこりと笑うソイツ。


「しゃぁ!」

と喜ぶ、赤と白の2人組。


「部活見学終わるまで待ってて?」

と話を進める光。





私の意見は無視かよー!!





心の叫びも虚しく、ソイツ等は帰って行った。




.

◇next#

1/8ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!