18
『きゃっ!』
ツカツカと向かっていった夏樹クンは蒼の胸元を掴み、壁へ押しつけた。
振動から、本か何かが落ちた音がする。
「言ったよな?」
蒼は唇を咬みながら、抵抗する様子を見せない。
「そんな気持ちなら、もぉ止めろよ。
お前のせいで傷付けんな!」
夏樹クンがパッと手を離すと、蒼はその場にへたり込んでしまった。
一体、何の話をしているの?
どぉして蒼はココがわかったの?
「行こう。」
落ちていた鞄と眼鏡を拾うと、夏樹クンは短くそぉ言った。
私は肩を抱かれるように支えられながら、部屋から連れ出された。
「蜜香、ごめん…」
蒼の小さな声を聞きながら。
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◇back*
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