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「これ、今日貸すから。」


ずり落ちそうになっていたブレザーを掛け直し、夏樹クンは隣に座った。


「平気?」

優しくも心配そうに聞く声に、強ばっていた体の力が少しずつ抜けていった。


『あたっ…こ…った……』



"私、怖がった"



通じたのかわからないけれど、何も言わず、頭をポンポンと叩いてくれる。



夏樹クンが見付けてくれなかったら…



見付けてくれたのが夏樹クンじゃなかったら…



考えるだけで、涙が止まらなくなる。




それでも、私が泣きやむまで夏樹クンは隣で頭を撫でいてくれた。




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あきゅろす。
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