13
『やだ、ごめんねっ?!』
夏樹クンの手が背中に回されて、さっきの先輩たちの手を思い出させる。
なのに、夏樹クンの手は嫌じゃないみたい。
夏樹クンは支えていた片手を私の膝の裏に入れると、軽そうに私を抱き上げた。
『え?
や、ちょっと、重いよ?』
お姫様抱っこって…
憧れで夢だったけど、絶対に重いって思われてる!
だけど、そんな様子はちっとも見せず、さっきまで女の子がいた机の上にそっと降ろされた。
そして、震えながら胸元を押さえていた私の手を優しく引き剥がすと、ブラウスのボタンを留めてくれた。
.
◇back*◇next#
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!