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残念なコトに、私と光の席は遠い。
後ろから2番目の私。
1番前の光。
でも、休み時間になれば、
「蜜香、今日もお願い!」
と隣の席に座る光に、変わらないなぁと笑みがこぼれた。
中学から、うたた寝している光にノートを見せるのは、私の役目だった。
こぉ見えて?勉強に真面目なんだよね。
『なんか、廊下うるさくない?』
数式を必死に書き写してる光には、耳に入っていないみたい。
ちらりと後ろのドアを見ると、赤茶色の髪をした可愛い感じの人と、黒髪の綺麗な顔の人がクラスを見回している。
"あなたに用があるんじゃない?"って心の中で呟きながら、光に視線を戻した。
『あ!
また落書きしてるし!』
特に嫌いな数学の時、光はノートに落書きをする。
私の似顔絵らしい、可愛い女の子。
私はこんな可愛くはないって言うんだけど、光は"可愛い"って言ってくれる。
でも、誰が見ても可愛いのは光の方なんだよ?
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