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教室に入ると同時に、鐘が鳴る。
ショートホームルームの始まり。
ナイスタイミング!!
なるべく音をたてないように、席に着いた。
夏樹クンは、ボーっと斜め前を見ていて、私には気付いてないようだ。
だった……のに…
先生の目を盗んで、私に大きく手を振る、ご機嫌の光。
これじゃ、夏樹クンにバレバレじゃん…
力無く手を振り返しながら、夏樹クンの様子を窺った。
光のことが目に入っていないのか、それとも、私のことなんてどぉでもぃぃのか。
夏樹クンは同じ方向、窓の外を見て、ずっと止まったまま。
そぉ言えば、何かあるのかな?
思い返してみれば、夏樹クンはよく窓の外を見ている。
授業中は、半分以上寝ているけどね。
私が同じ方を見ても、何にもない。
渡り廊下くらい?
でも、休み時間に生徒が行き来するくらいだし、ショートホームルームや授業中は、滅多に人が通らないのに。
そんなことを考えていると、カタンと小さな音がした。
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