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学校に…行きたくない。
一昨日は蒼にときめいて、キスされそうになった。
それを寸前で止めてくれたのが夏樹クン。
思い出すだけで恥ずかしくて逃げ出したくなる。
昨日も、一日中思い出しては赤面していたと言うのに。
穴があったら入りたいよぉ〜
学校に行けば2人と顔を合わせなければいけない。
そんなの……
「蜜香?
遅刻するわよ!」
はぁーー
行くしかない…か。
生憎、会いたくない人からって理由だけでズル休みする勇気はない。
チキンなんだよね。
制服に着替えてサッと髪を整えると、軽く朝食を摘んで家を出た。
それでも、普段より15分も遅れて。
光には、寝坊したとメールで伝えてある。
一緒に行けば、駅で蒼に会いそうだったから。
この時間、周りにポツリポツリと見付けられる同じ制服の人達は、皆早歩きで学校を目指している。
私も負けじと小走りしながら、まるで競争しているかのように、何人かを追い越していった。
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