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「こらッ!」


声がしたと同時に、目の前から人の気が消えた。


「は?」


不機嫌な蒼の声が聞こえ、強く閉じていた目を開いた。



『何で……?』



驚いている私を無視し、まるでいないかのように話が進んでいく。



「もぉやめろよ。」

「ってか、お前何でこんなとこにいんだよ?」


胸倉を掴まれて睨まれているから、蒼もキレ気味だし。


「んなの、今関係ないじゃん。

谷口サン、嫌がってるだろ?」


チラリと目が合って、自分が置かれていた状況を思い出す。



今の、見られてたんだよね…


再び頬が熱くなったのがわかる。



『あ、あたし、帰るからっ!

今日はありがとうッ。』


閉まりかけたドアの間を抜け、改札まで全力疾走した。





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あきゅろす。
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