11
靴を他人に履かせてもらうなんて、初めてだ。
触れられた箇所が、熱を帯びていくのがわかる。
右足が終わると、左足。
双方に、異なる靴が履かされていく。
「ほらっ、どぉ?」
両足を見比べる。
確かに。
私の肌の色には、この色がよく合うと思う。
でも、それ以上に…
『じゃ、両方買う。』
"選んでもらった"
それに意味がある気がする。
片付けを蒼にお願いし、私はレジへと向かった。
本当に…
今日はおかしい。
"ヒーロー"と"王子様"を取り違えてない?
蒼は危ない所を助けてくれた。
それだけ。
こぉんなにドキドキして、まるで……
まるで、恋してるみたいじゃん?
有り得ない…
.
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