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食べるのが遅い私の食事が終わると、すぐにレストランを出た。
「俺、払うから。」
"カッコつけさせて"と言う言葉に甘えて伝票を持った蒼にお礼を言うと、外に出た。
もぉ、帰っちゃうのかな…
帰る途中、またあいつ等に見つかってしまうかもしれない。
そぉ考えると1人でいるのは不安だったし、まだ一緒にいたいと思ってしまったのも事実。
エレベーターに向かうため、重たい足を動かしていると、冷たかった左手が突然暖かくなった。
「手、出して。」
蒼に遊ばれてるんじゃないかとか、今はそんなのはどぉでも良かった。
もぉ少しだけ甘えたい。
暖かさに触れていたい。
そんな想いで、差し出された手を握り締めた。
「買い物してたんでしょ?
欲しい物は全部買えた?」
エレベーターの前で、さり気なく私の右手にあったショップバックを持ってくれる。
『あ…靴。』
買ってる途中に、あいつ等に捕まったんだっけ…
「何階?」
『1…』
またあの場所に行くのは怖いけれど、蒼がいてくれるから平気な気がする。
そんな私の心境を理解してくれたのか、繋いだ手がきつくなる。
それに勇気をもらい、エレベーターの到着を待った。
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