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「お兄さん、手離しなよ?」




もぉ終わりだと目を瞑った時、背中が急に軽くなった。




「うわっ!」


―――バキッ、ドスンッ



鈍い音の後、何かがぶつかる音。




何?


「何だよ?!」



私の前で腕を引いていた男が振り向いた瞬間、私の後ろから腕が伸びてきて、男の頬に直撃した。



『きゃっ!!』




男が吹き飛び、それと同時に後ろに思いっ切り腕を引っ張られ、デパートの中に連れ込まれた。




『やッ!!!』




今度は何なの?!




今私を引っ張るのは、さっきの人たちとはタイプの違う男の人。


ジーパンとジャケットを来た、背の高い、同い年くらいの人。


腕を引く力はとても強いけど、私の腕を掴む手は優しい。






デパートの中を無理矢理走らされ、突き当たりにあるエレベーターに乗せられる。


生憎、その中は2人きり。


『離してよっ!』



掴まれた腕を振り払い、最上階のボタンを押す男の背中を睨みつける。




「危なかった。」



聞き覚えのある声が聞こえ、振り向いた男に力強く抱きしめられた。




この匂い…



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あきゅろす。
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