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デパート内を一周する頃には、お店の袋がいくつか。
今日は報酬だぁ〜
フリルのミニスカート、ブラウス、キャミ、デニムのショーパンを購入し、あとは靴が欲しいなぁと靴屋さんの前で物色を始める。
あ、これぃぃかも!
白のリボンが付いたハイヒール。
サイズを探そうと棚に手を伸ばした時、両肩に重みを感じた。
「ねぇ?」
聞いたことない声だよね?
恐る恐る振り返ると、2人の男の人がそれぞれ肩に手を置いていたようだった。
金髪と坊主、髪型は全然違うけど、他は一緒。
耳に開けられたいくつもの穴、首元に光るシルバーアクセサリー、引きずるようなダボダボの洋服、細くて冷たい目に、釣り上げられた口。
"近付くな"ってオーラがプンプンしているのに、私にはそぉではないみたい…
棚と2人の男の人に挟まれ、逃げる隙間がない。
「さっきから見てたんだけど、彼女1人でしょ?
俺たちとご飯でもどぉ?」
金髪の人が腕を強く引っ張りながら言う。
『や、これから用事あるんで…』
小さな声で拒否するけど、嘘だってバレているんだと思う。
「ぃぃじゃん?
君、可愛いよねぇ〜」
坊主の人が耳元で話しながら、舐めるような視線を送ってくる。
この人たち、怖い…
『あの…』
金髪の人の腕の力が強くなり、無理矢理店の外に引っ張られる。
その後ろに坊主の人が続き、私の背中を押す。
『ちょっと…!
困りますっ…』
声を出そうとすると、後ろから大きな手が私の口を覆う。
『んーー!』
誰か気付いてッ!!
このまま連れて行かれたら、私…
気付いた時には、人気がない場所に。
足を踏ん張ってみるも、男の人2人の力には適うわけもなく…
デパートの裏口を抜け、路地の手前まで連れて行かれた。
「大人しくしてれば、大丈夫だからさ?」
やだーー!!!
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