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『何で…』
わかったの?
授業が終わって一直線に来ない限り、ここにはいれないはず…
「蜜香の考えることなら、お見通しだから。
さ、帰ろうぜ!」
休み時間のことは何もなかったかのように話し掛けてくる蒼は、満面の笑みを浮かべている。
"一緒にいたくない"
そぉ言ったら、どんな顔するのかな?
"ムカつく"って怒る?
"バレた?"って笑う?
それとも、悲しむ?
って、そんなわけないか…
都合良く考えたらだめ。
だから、はっきりと言わなくちゃ。
『私、』
「蒼!」
重なった声に振り返ると、大きな影が私を通り過ぎ、目の前にいた蒼の肩に腕を回して引っ張っていった。
夏樹クン…
「なっ、何だよ?!」
「新しいゲーム買ったから、付き合え!」
「は?
俺は蜜香と!
夏樹、離せよ!!」
騒ぐ蒼をあっという間に連れて行った夏樹クンは、去り際、少しだけ私を見て口を動かした。
"きをつけて"
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