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授業中に夏樹クンとこっそり話していたこと、光にはバレていたみたい。
普段は寝てるだけの授業、私のことが気になって、ずっと起きてこっちを見ていたんだって。
休み時間と同時に人気のない廊下まで引っ張られると、息継ぎしていないんじゃないかって早さで、質問を連発させた。
「蒼クンとどこ行ってたの?
何か怒ってなかった?
話は何だって?
夏樹クンも含めて3人で何話してたの?
ってか、夏樹クンといつ仲良くなったの?
授業中まで何話したの?」
質問の多さと勢いに、苦笑いして聞いているしか出来なかった。
ふんっと鼻を鳴らして、"答えろ"とつり上げた目で訴えてくる。
『蒼と夏樹クン、一緒の中学なんだって。
夏樹クンとは日直の話してて。
蒼は…』
本当、何だったの?
蒼に出会って、振り回されっぱなしだよ。
もぉ関わらないって決めたばかりなのに、気になっちゃうじゃん…
『…ごめん。
私も、よくわかんないんだ…』
光の顔が少し寂しそうになり、心が痛んだ。
光はいつも私のことを心配してくれる。
でも、私は光に全てを話せてない。
何かある度に自分のことのように一緒に悩んでくれるから。
辛い思いするのは、自分だけでぃぃでしょ?
男の子の気紛れに、ただ付き合わされてるだけなんだし。
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