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教室に着くと同時に、チャイムが鳴った。

私の席に座り、私の帰りを待っていたようだった光は、先生と私を交互に睨み、渋々自分の席へ戻っていった。


可愛い顔が台無し。


光のふてくされた顔を見れば、嫌でも笑いが吹き出してくる。



少しだけ気が軽くなった所で、前に座る夏樹クンの肩をバレないようにそっと叩いた。


『さっきはごめんね?

ありがとう。』

小声で言うと、夏樹クンが前を向いたままそっと椅子を退き、背中を後ろに倒して話しかけてきた。


「大丈夫だった?」


さすが蒼クンの親友(?)だね。


"大丈夫なわけない"


そぉ言ってしまいたいけど、こんなんで誰かに迷惑かけれないから。

心とは反対の言葉が勝手に出て行く。


『何が?

大丈夫だよっ!』


そんな私の心境を察したのかもしれないけど、それまで前を向いたまま話していた夏樹クンが、チラッと私を見て言った。


「あいつが何か仕出かしたら、言って。」



有り難いけど、それはないと願いたい。



もぉ蒼とは関わりたくないし。



"何か"もあって欲しくない。



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あきゅろす。
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