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「おはよーゴザイマス!」
迎えられた元気な声に、眠たかった目がパチリ。
「迎えに来たよぉ〜」
あれ?
何で力斗先輩がうちに?
まだ夢を見ているのかもしれない。
目をギュッと瞑って、"起きろ!"と念じてみる。
そしてゆっくり目を開ければ、夢から覚めて…いない。
おかしいな?
首を傾けて目をぱちくりしていた私に、先輩が短く息をついた。
「昨日、言ったじゃん?」
あ。
「忘れてたの?」
と言うか…聞いてなかったって言う方が正しい。
昨日は色々と、ね?
考えることがいっぱいあったし。
そぉ言えば、昨日家まで送ってくれた時に、"また明日"って単語が聞こえたような気もする。
明日も学校かぁって、金曜日なの忘れて返事したような?
「ひどいよ〜
俺、超楽しみにしてたのに…」
後ろからひゅ〜と声が聞こえて振り返れば、姉母がリビングから顔を覗かせている。
『ちょっ、外行きましょう!』
お母さんたちに勘違いされちゃう。
『覗かないでよ!』
きっちり念を押し、ドアが閉まるのを確認してから先輩と向き合った。
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