5 とにかく、この手を離してもらうことが優先ッ! 『いーから離れて下さい!』 思いっきり胸を押して不意をついた隙に、手の届かない位置まで逃げた。 ちぇっと口を尖らせた先輩。 何か…可愛い? 「甘々なリキって新鮮じゃね?」 笑うのを止めた山姥ズは、今度は羨ましいと地団駄を踏み始めた。 だから、付き合ってないです! 言ったって、誰1人として聞いてない。 この学校の人たちは、皆人の話を聞けないの?! 「あーー! うちも彼氏欲しくなったぁ!」 「あんた四股がバレてフられたばっかでしょ?」 "マジかよ!" 先輩の声と、私の心の声が一致した。 私にはわからないけど… 山姥ってモテるんだ? . ◇back*◇next# [戻る] |