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中々上がってこない頭に不安が過ぎったけれど、先輩にはそんな心配は無用だった。
「良かった〜
俺、蜜香チャンに一目惚れしちゃって。
嫌われたらマジどぉしよぉって感じじゃん?」
この人…
軽ッ!!
本当に反省してるの?
「あ、俺力斗って名前、知ってた?
皆には"リキ"って呼ばせてるんだけど、蜜香チャンなら呼び捨てでも、サン付けでも、何でも構わないから。
蜜香チャン家どこ?
送ってくよ?」
一通り一気に喋ると、嬉しそうに頬を緩めた。
元から細い目が笑うと更に細くなって、狐みたいに一本線になる。
髪型や服装で誤認識してたけど、表情を崩して笑うと可愛らしい。
もちろん、発言や今までされたことを考慮すると、謝って可愛く笑ったくらいじゃ仲良く出来ない。
いや、考慮しなくても今は仲良く帰ってる場合じゃない。
『力斗先輩、1人で帰れますから!』
敢えて距離を置くような呼び方、"先輩"と強調して、脇をすり抜けようとした。
校舎からは生徒が出て来始めて、部活をやり始めている人もいる。
早く帰らないと…
ここでグズグズしていたら、蒼に見つかっちゃうよ!
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