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聞き覚えのない声に不審を抱きながらも、考えるより先に体が動いた。
校門を出る手前、振り向いた先にいたのは、忘れもしない人物。
『あ…』
この間のことが鮮明に思い出される。
夏樹クンのお陰で舞サンも先輩たちも、あれからは接触してこなかった。
色々あって(蒼のこととか)、普通だったら忘れるはずのないはずのことを忘れかけてた。
怖くてたまらないけれど、それがバレないように、睨みつけてやる。
そんなことしても男の子の力には適うわけないってのは数日前に体験してわかっているのに、無駄だと思っても気持ちだけは負けたくない。
何を言われようとそこは守り抜いてみせる、そんな思いの中、目の前の人物は予想外の行動をとった。
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