8 席に着くと、前の席の夏樹クンはいつも通り、机に伏せて眠っていた。 国語の授業だけ毎時間しっかり聞いてたの、山岡先生だからなんだね。 誰も知らない秘密を知ると、親近感がわくと言うか、怠そうに眠る姿が可愛く思えてくる。 「何見てんの?」 眠ったフリをしてたのか、私の視線に気付いて夏樹クンが怠そうに振り向いた。 『えへへ〜何でもない。』 教室のど真ん中じゃぁ、言えないことだもん。 だけど、ニヤニヤ笑いは堪えれない。 「変な蜜香。」 夏樹クンは、昨日の恋人ごっこの癖が抜けないせいか、あれから"蜜香"と呼び捨てで呼んでくる。 深い意味はないだろうけど、先生いるのにぃぃのかなぁ? 呼び捨て=付き合ってる って考え、私だけ? . ◇back*◇next# [戻る] |