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全く頭がついてかない。
夏樹クンが手にしたものは明らかに女物の服で、しかも夏樹クンにしては小さすぎる。
じゃぁ、一体誰の?
頭を押さえながら考えていると、話し終わったらしい夏樹クンがレジから手招きをする。
その横では、店員さんが試着室のドアを開けて営業スマイル。
「お客様、中へどうぞ。」
と、言われましても…
何も着るつもりはないんですが?
ただ連れて来られただけで、どっちかと言えば着るのは夏樹クン?
あれれ?
とにかく、私は用はないんです!
そんな否定を述べようとしても、夏樹クンも店員さんも乗り気で笑顔を浮かべている。
2人の間では話は進んでいるのかもしれないけど、私には何が起きているのか全く読めない。
『はぁ…』
仕方なく言われるがままに中へ入り、"ごゆっくりどうぞ"と閉められたドアをじっと睨みつける。
だから、ここに入って何すればぃぃのよ!
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