11
鞄を取って正門を出る頃には、前もろくに見えないくらい涙が溢れてきて、雨なのか涙なのかわからないくらい、折角してきた化粧もグチャグチャなんだと思う。
拒んだのは私からなのに。
拒否しても、蒼なら追いかけてきてくれるんじゃないか?
心のどこかで期待してしまっていた自分が馬鹿みたい。
そぉだよね。
"蒼は遊びだったんだもん"
納得させるように自分に言い聞かせたはずなのに、益々胸は痛みを増していく。
苦しい……
あ、そっか。
私、蒼のこと、好きなんだ。
振られてから気付くなんてね…
もぉ、誰も信じられないよ。
.
◇back*◇next#
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!