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「あ、蜜香、探してたんだよ?

携帯出ないし。


帰ろう?」



後ろから聞き慣れた声がして、クイッと腕を掴まれた。


『いやっ!


……あ…

ごめんなさい…』



私…




気付けば、触れられた腕を振り払っていた。



恐る恐る振り返ったけれど、俯いたままで蒼の表情は伺えない。


廊下の冷めた空気とは違い、教室内には圭吾クンの楽しそうな笑い声が聞こえる。



聞かなければ良かった。


呑気な圭吾クンの笑い声さえも、腹立たしくてしょうがない。




何も言ってこないのは、私のこと、"遊び"だったから?



"本気なんだ"って言ってくれたのも、嘘なんでしょ?





『帰るね…』


そぉ言って蒼に背を向けても、引き留めたり声を掛けてさえもくれなかった。



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あきゅろす。
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