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『あれ、夏樹クン?

山岡先生に何か用?』


職員会議のために準備室を追い出された直後、直ぐ前の廊下でばったりと遭遇。



「あ……


いや、別に。


谷口サンは帰らないの?

もぉ、教室誰もいないよ。」


それだけ言うと、夏樹クンは来た道を戻っていった。



ん?




いまいち夏樹クンがわからない。


何でこんな所にいたんだろ?



ま、ぃぃや。



帰ろう。



随分ここに居座ったし、もぉ誰もいないみたいだから。



遅くなっちゃったけど、蒼、まだいるかな?


2人で帰るなんて日常茶飯事だったのに、昨日のことがあって、恥ずかしくて、何となく蒼を避けていた。

メールを送るのでさえ緊張する始末。



一緒に帰るのが当たり前だと思っていたけど、連絡もしないでこんなに長時間待たせて、怒っていたらどうしよう?



もぉ、帰ってしまっていたら?



どうしよぉもなく不安に襲われる。


"好き"って意識した瞬間、世界は好きな人中心で回るもんなんだね。



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あきゅろす。
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