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聞こえてきた声に恐る恐る振り向くと、山岡先生が目を丸くしている。
「谷口サンだよね?
イメチェン?」
腕いっぱいにプリントの束を抱えて、必死にちょこちょこと走ってくる姿は、小動物みたいで可愛らしい。
うん、先生みたいなのを可愛いって言うんだよね!
『ちょっと、色々あって…』
苦笑いで答え、深く追求されないよう話題を変えた。
『それ、お手伝いしましょうか?』
多分、そのプリントの山は、明日配るとか言ってた定期テストの対策プリントたち。
今から綴じなきゃいけないんじゃない?
先生の腕を指さしながら言うと、キラキラと瞳を輝かせた。
「ぃぃの?
時間かかっちゃうよ?」
どぉせ、帰ろうと思っても直ぐには解放してもらえないもん。
「図々しいけど、お願い!
職員会議あるし、時間ないんだ。」
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