19
普段だったら、地味な私はスルーで、光だけが輪の中心にいた。
今日もそれでぃぃ、それなのに、皆の視線は私に集まっていく。
「あーー!
やっぱり谷口サンだ。
今遠くから見て、可愛いって思ってたんだよ〜」
『え…?』
クラスの中心的な女の子。
手足が長いし顔は小さいし、モデルさんみたいで私の方が憧れてるのに。
「昨日大丈夫だった?
また何かあったら、ガツンって言ってやんなよ!」
少し派手目で、自然と苦手意識を持ってた。
でも、この様子だと昨日のことを本気で心配してくれてるよう。
「私、あぁ言うの大嫌いなの。
正々堂々と言えばぃぃのよね!
谷口サン可愛いからって、ひがんで子供みたい。」
その娘を中心に、クラス内は私の話題でいっぱいになった。
それは、チャイムが鳴ってショートホームルームが始まっても、中々静まらなかった。
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