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"家遠いから帰り遅くなっちゃう"と言う断りにも気にせず、電車に揺られる私たち。
運悪く満員で、ドアに寄りかかる私をスペースをとるょぅにかばって立っていてくれる。
まだ力の入りきらない私は、甘えて彼とドアに体を預けている。
『背、高いんだね?』
こんなに近くにいるのに、沈黙が辛い。
もっと気の利いたコト言えば良かった…
「180センチ!
ミカはチビだよなー」
そぉ言って頭に手を載せてきた。
手も、大きいんだなぁ…
『どぉせ中学で止まったし…』
膨れ顔で言うと、
「可愛いからぃぃの。」
頭を撫でられた。
『からかわないでよ!』
思ってもないのに、可愛いとか言われたくない。
睨みつけた私に、少し赤くなって溜め息をもらした。
頭の上にあった腕が降下し、私の目元をそっと撫でる。
「眼鏡、ダテだったんだ?」
聞かれたくないコトを聞かれ、下を向くしかなかった。
私の秘密。
初対面のコイツに知られてしまったのは嫌だけど、あの子のコトも、大袈裟になるのはもっと嫌だった。
また、あの頃に戻りたくない…
今は、彼を信じるしかない。
『あ、のね?
今日のコトも、眼鏡のコトも…
黙っていてもらえないかな?』
やっと得た普通な生活。
光と、思いっきり楽しみたい。
実はコイツはやなヤツで、嫌とか言ってきたら…
どぉしよ…
涙出てきそう…
急に頬に触れた手が、私に上を向くように促した。
「言わないよ。」
その言葉で、強ばった体から力が抜けた。
最初は腹立つと思っていたこの優しい声も、今は心地ぃぃ。
『あんた、ぃぃヤツなんだね。
ありがとう。』
素直な気持ち。
「蒼!」
?
何が"青い"の?
「俺のこと、ちゃんと蒼って呼べ。
交換条件。」
そんなんで、黙っててくれるの?
ちょっと照れた顔しながら、目を泳がせてるコイツ。
可愛いなぁ〜
『ありがと、
蒼!』
こぉして、私と蒼は友達になった。
.
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