14
――パァーン!
残り数センチまで引き寄せられた手同士は、磁石のNとS極じゃなくて、両方ともN極だった。
反発により、自分の掌がジーンと痛みを震わせていた。
「いってぇ!!」
同じように赤くなった手をブラブラさせて、"何で?"と目を潤ませている。
それはこっちの台詞だっつーの!
私の方も痛かったけど、悔しくて平気なふりをしてみる。
『1人で繋いでればっ?!』
前を歩いていた4人や周りの人が振り返って私たちを見ている。
もぉっ!
こんな注目されるのは嫌だって言ってんのに。
『哲にぃ、行こっ。』
「おいっ、蜜香?!」
"待てよ〜"と追いかけてくる蒼を無視して、哲にぃの横に並んだ。
.
◇back*◇next#
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!