5
目が覚めた時、さっきのカラオケの部屋のソファーに寝かされていた。
『頭…痛い…』
掠れている声に反応したのは、光ではなかった。
「ミカ、起きた?
平気?」
私、どのくらいこぉしてたんだろ?
「1時間近く眠ってたんだよ?
家知らないし、光チャン知らない間に帰っちゃって。
起きれそう?
家送ってくよ。」
額には、おしぼりがのせてあったらしい。
それを机にのせ、体を支えられる。
『ん。』
思い頭を持ち上げると、膝から何かが滑り落ちた。
スカートだから、見えないょぅにブレザーかけてくれたのかな…
「はい、水。」
テキパキと世話を焼いてくれて、実はぃぃヤツなんだって思った。
自信あり気な目が、今は不安そうに垂れている。
焦点がまだ合わない目でヤツを見ていると、目を泳がし、頬が赤く染まっていったのがわかった。
「あ、えっと、めっ眼鏡!
邪魔そぉだから外しちゃったんだけど。
見える?」
差し出された眼鏡には、度が入っていない。
ダテ眼鏡。
見られたならぃぃや、と眼鏡は鞄にしまい、ブレザーをソイツに渡した。
『ありがとう。
ゴメンね?
でも、1人で帰れるから。
いくらでぃぃ?』
お財布を出そうと鞄を持ち上げると、鞄が勝手に持ち上がった。
「無理するな!」
少しだけ怒ったょぅな声。
こんな声も出すんだ。
『ちょ、えっ?』
2つの鞄左肩に、右手で私の腰をぐっと引き寄せた。
「歩ける?」
…か、顔が近いょぉ?!
悔しいくらい綺麗な顔が真上にあって、いつもみたく突き放したいのに、力が入らない。
恥ずかしいけど、今は人の力を借りなきゃ帰れないだろうから…
『…うん。』
素直に頷いてしまった。
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