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「何で?
こんな女庇うの?
正気に戻ってよ!」
狂ったように叫びながら蒼の胸元を揺さぶる舞サンの激しさが、蒼と繋がれた手から振動して伝わってくる。
「ずっと…
好きだから我慢してたのに……」
舞サンが胸元を掴んだまま、蒼に泣きついた。
見た目はチャラチャラしてるけど、蒼への想いは純粋なものなんだ…
行き過ぎて違う方向になってしまったけれど。
「俺がはっきりしないから…
舞にも辛い想いさせたよな。
でも、ごめん。
今は俺、本気で蜜香が好きなんだ。
蜜香だけは守りたいって思う。
こんな気持ち初めてなんだよ…」
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