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心を失くした天使2
哀れな白濁の液
僕は恐怖を感じていた。何よりも、和也の要求に対してだ。いくら何でもそんな事を頼むのはおかしい。
「そんなのやだよ…。恥ずかしいって」
「何だよ、俺達一緒にレイプされた仲だろ?」
「和也…」
シャレにならない事まで平気な顔で言った。
「あの時、皮剥かれて勃ってたじゃん。だから触ると勃つと思ったんだけどなぁ」
そうだ。あの時僕はちんこをいじられて不本意ながら勃起してしまったんだ。それを見て笑い転げた晃司の兄貴に『笑うな!』とキレた和也なのに、今度はそれを見たいと言ってる。
「オナニーやって見せてよ」
「…出来ないよ」
「どうして?」
「どうしてって…恥ずかしいからだよ…」
「ふ〜ん…」
和也は手を引いた。ドッカリと体を伸ばしてお湯に浸かり直す。そしてその状態で自分のちんこをいじり始めた。
「オナニーして射精するのって気持ちよくてスッキリするんだろ?」
「…」
「それくらい教えてくれたっていいじゃん」
「…そうだよ」
「性欲を発散出来ないのってすげぇイライラするんだ。有り余る力が体の中から出て行かないんだからさ」
揺れる水面に見える和也のちんこは確かに勃起してなかった。
「勃たなくても射精する方法ってないかな〜」
あいにく僕にはわからない。ちんこが勃つのも、射精するのも当たり前の事としか思ってなかったから。
「いいよな、陸斗は。同じ目に遭ったのにちゃんと射精出来て」
妙にトゲトゲした言い方だった。
「…俺が射精するとこ見たって何も変わらないよ…」
「わかんないじゃん。エロ本で女の裸見ても勃たなかったけど、陸斗がオナニーするとこ見たら興奮して勃つかもしんないし」
無理矢理な理屈を並べてまで見たい理由がわからない。それに言葉で言いくるめる狡猾なやり方が和也らしくなかった。ダメならダメできっぱり諦める。そんなやつだったのに。
「なぁ…一回でいいからさ…」
僕を見る目はもう笑ってなかった。むしろ『脅迫』めいた雰囲気だ。
「でも…恥ずかしくて勃たないよ」
「じゃ俺がやるからさっ」
和也は再び身を乗り出し手を伸ばしてきた。
射精して見せないと終わらない予感がする。僕は観念して抵抗しない事にした。
ちんこを軽く握られやんわりと揉まれるうち、否応なしに堅さを帯びていく。
「勃つじゃん!うわー、かってぇ!」
今や完全に勃起したちんこを物珍しそうに眺め、ギュッと握ったり向きを変えたりして楽しむ和也。
絵を描く為のヌードモデルになったような…いや、もっと恥ずかしく何かの実験台にされてるような、そんな屈辱的な気分だった。何よりも相手が和也だからそのショックは大きい。
「で?勃起したらどうやんの?」
「…」
「勃ったんだからやってくれよ」
間抜けにも脚を開いてちんこをいじられ、その上自分でやれだなんて…。
「和也…もうやめてよ…。お願いだから…」
「…わかったよ」
その言葉にホッとしたのも束の間だった。
「やってやるからやり方教えてよ」
「そんな…」
「こう?」
和也はちんこを強く握り、まさしくシゴき始めた。やり方がわからないとは言っても、それくらいしか方法がない事くらい本能的に理解してるのかも知れない。
「これでいいの?」
「…うん」
こうなったら早く済ませてしまいたい。
でも身体的には反応しても、射精したいという気持ちがまるでない。こんな嫌な気持ちのままで射精出来るのだろうか?
「すっげぇな。皮剥いたら大人のと同じだな」
剥き出しになった先っちょを遠慮なしにゴシゴシ触ってくる。
「んんっ!」
「気持ちいいのか?」
「強く触ると痛いんだよ…!」
「あ、そっか。わりわり」
僕はすでに男の人に恋をして、同意の上でセックスも体験した。でもまさか和也の手でいじられる日が来るなんて夢にも思わなかった。
晃司にされるのはあんなにも気持ちいいのに、これはあまりにも惨めで屈辱的なだけだ。
「どう?まだ出ない?」
どうにかして気持ちを高め、射精してしまわない事には…。僕は目を閉じて晃司との秘め事を思い浮かべた。あのやさしい顔…やさしい手つき…。僕を頭のてっぺんから爪先まで、気持ちよさの虜にしてくれる愛撫…。僕は今、晃司に愛されてる…。
「すげっ、ドクンドクンゆってる」
和也の声は聞こえないようにちんこにだけ意識を集中させた。
手が上下に動くたびポンプで汲み上げられるように精液が導かれていく。
「はぁ…はぁ…」
気持ちよくなってきた。
「何か出てきた…。これ、精子?おしっこ?」
透明のやつが溢れてるんだ。
「…違う…」
この気だるさの中でいちいち説明するとシラケてしまう。聞きたい事は後で教えるから早くイッてしまいたい…。
「ヌルヌルしてる」
クチュクチュという恥ずかしい音まで聞かれてる。
「こんなのが出てくるって事は気持ちいいんだよな?」
「…うん…」
「いやらしいな、陸斗」
そんな風に言わないで…。まだ理性は保ってるけど、この快感の中それもいつまでもつか…。
「いくらでも出てくるし。おしっこ洩らしたみたい」
和也はシゴくリズムをマスターしてる。手を下に動かす時には皮を目一杯まで剥き、上に動かす時には絞るように握る。その強弱を速いスピードでこなされたら例え射精したくなくても耐えるのは不可能だ。
「うぅっ…出るっ!」
その時、僕はとんでもない事を口にしてしまった。
「晃司っ…!」
その場の空気が一瞬で凍りついた。和也は手を止めすごく怖い顔で僕を睨んでる。
あとほんの2〜3回シゴくだけでイキそうだった快感の頂点から、一気に冷めた雰囲気に叩き落とされたようだった。
「何だよ、コウジって…」
そうくるのも無理はない。
「いやっ、あのっ…!」
言い訳も嘘もすぐには出なかった。射精して気持ちよくなれるはずだったちんこがありえないくらいの後味の悪さに苦しんでる。
自分でやってしまおうか?いや、そんな事が出来る状況じゃない。
「…」
和也は黙ったままザバッと湯船を出て、体も拭かずに上がってしまった。着替えはお母さんが用意しただろう。先に部屋に戻る和也に何て言おうか…。それを考えようにもちんこが疼いて頭が回らない。
僕は自分で激しくシゴいた。
「うっ!」
それこそあっと言う間の射精だった。
惨めな白い液がタイルの上に点々と散っていた…。

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あきゅろす。
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