[携帯モード] [URL送信]

破滅遊戯
臭い部屋
脱いだパンツを机に置いておちんちんを両手で隠す。おじさんはパンツまでも表裏しっかり調べた。ポケットなんてないから何か隠すなんて出来っこないのに。調べ終わり、僕が脱いだ物が机の上に並んでる。もう着てもいいのかな…?そう思った時、おじさんが僕の側に来た。
「手をどけて」
こんなとこ、調べたって意味ないのに…。
「警察署に行くか!?」
おじさんが怒鳴った。僕は怖くなって両手をどける。知らない人におちんちんを見せるなんて恥ずかしかった。おじさんは手を伸ばし、僕のおちんちんに少しだけ触れた。その意味がわからない。
「反対向いて前屈みになれ」
言葉遣いが乱暴になった気がする。僕はそれにも従った。するとおじさんは僕のお尻を両手でギュッと開いた。
「!?」
ビックリして動けなかった。おじさんはそのまま1分くらいジッとお尻を見てる。それも意味不明な行動だった。
「よし、もういい。服を着なさい」
僕はおかしな空気が漂う中、元通り服を着た。これで帰れるなら…もう深く考えないようにしよう。すべて終わったんだから。
「約束だぞ?もう二度としちゃいけないよ」
「はい…」
どうも納得いかない部分があった事を無理矢理心に押し込む。そうして僕の長い犯罪者生活(?)は終わった。

ところがその一週間後。日曜の午後、僕んちの電話が鳴った。
「和く〜ん、お母さんちょっと手が離せないから電話出て〜」
「はーい」
僕はゲームを中断して電話に出た。
「はい、もしもし渡辺ですけど」
『…』
相手は何も言わなかった。でもそこにいる気配はする。
「もしもし?」
『和人くんかな?』
「はい…」
思わず返事してしまった。大人からの電話が僕宛てなんてありえないのに。
『おじさんの声…わかるよね?』
「…!?」
僕は青冷めた。警察のおじさんだ。
『実はこの前書いてもらった反省文なんだが…拇印を忘れてね』
「ぼいん…?」
『指にインクをつけてハンコ代わりに押してもらうものだ。今日中に拇印を押してもらわないとこの反省文を処理出来なくてね』
まさかまたおじさんの家に…?
『すぐ済むんだ。悪いけどまた来てもらえないかな?』
予感は当たった。
「で、でも今留守番してて…」
そう言ったらおじさんはしばらく黙ってしまった。
「…もしもし?」
『…君はまた嘘をついたな…』
「えっ…?」
『両親とも家にいるだろう?日曜なんだから』
その通りだ…。この状況で留守番なんてどう考えてもおかしい。
『まるで反省してないな。嘘をつかない、と書いたのに。…お父さんに代わりなさい。この前の事も全部話そう』
「ごめんなさいっ…!僕、つい…!」
『いや、ダメだ。代わりなさい』
「すぐ行きますからっ!」
僕はそう言って一方的に電話を切った。しばらく待って電話が鳴らないのを確認してから玄関へ向かった。
「和くん?出掛けるの?電話誰からだったの?」
お母さんが台所から顔を出して聞いてきた。
「とっ、友達っ!ちょっと遊びに行ってくる!」
そのままバタバタと家を出た。

走っておじさんのマンションに着いたのは、あの電話から10分くらい経った頃だと思う。インターホンを押したらおじさんが顔を出した。
「…入りなさい」
やっぱり怒ってる。僕はつまらない嘘をついた事を後悔した。どうせここに来る事になるのなら、はじめから素直に来ればよかったんだ。
「うっ」
中に入った瞬間、僕は顔を歪めた。この前よりもっと臭かったからだ。しかもこれは…うんちの臭い…?でも部屋の中は前と同じきれいだし、うんち癖の悪い犬や猫がいる様子もない。
「…」
ふと、隣の部屋が気になった。かすかに物音がする。臭いもそこから出てる気がしてきた。
「座りなさい」
前と同じ机と椅子。僕はまた叱られるのを覚悟してそこに座った。


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!