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飼育遊戯
特別な存在
僕はいつも特別だった。自分で言うのも何だけど、成績は学年トップクラス、運動神経もいい。バスケのジュニアチームに所属していて、6年生の全国大会ではベスト4までいった。学校ではクラス委員をやってるし、バレンタインには数えきれない程のチョコをもらった。だから、僕は自分だけちょっぴり特別だと思っていた。

中学生になり、もちろんバスケ部に入った。全国大会で活躍した僕はちょっとした有名人で、顧問の先生と部長さんが直接勧誘に来たんだ。野球のドラフトみたいでいい気分だった。いきなりレギュラーもらえるし、やっぱり僕は特別なんだと思っていた。…でもこれは僕がバスケで活躍する話じゃない。バスケ部のヒーローから、まるで奴隷のように飼われるようになるまでの話…。そう、僕は間違いなく他のみんなとは違う特別な生き物だった…。

それは一学期も終わりに近いある日。期末試験最後の日だった。半日で終わり、部活もなかったその日は、真っすぐ家に帰って勉強するつもりだった。
「高山くん」
生徒玄関でそう声を掛けられた。
「今帰り?一緒に帰ろうよ」
その人は2年生の小山先輩だった。僕と同じクラス委員で、委員会の時とか時々おしゃべりしたりする。見るからに頭良さそうでやさしい先輩。実際、秀才的に頭が良くて、学年トップの座を譲った事がない、って噂を聞いた事がある。
「試験どうだった?」
でも僕だって負けちゃいない。今回の試験は自信があった。
「ん…まぁまぁ…です。先輩は?」
「いつも通りだよ」
小山先輩はスポーツはあまり得意じゃないらしい。そこんとこは『勝った♪』なんて思ってたけど、頭の出来じゃやっぱりかなわないかな。だから少し憧れてる人でもあった。僕達は家の方角が同じ事もあって、たまに途中まで一緒に帰るんだ。部活が同じ時間に終わるなんて滅多にないんだけど。
「そう言えばさ、高山くんブレイブストーリー見たいって言ってなかったっけ?」
「うん、劇場で見逃したから。でもレンタルいつも借りられちゃってて」
他愛もない事を話ながら歩いた。
「DVD買ったんだけどよかったら観に来ない?」
「えっ、ホント!?」
今日が部活ない日でよかった。明日だったら帰り遅くなるし、もう観に行くなんて出来なかったから。
「ウチ誰もいないからさ。気ぃ遣う必要ないし」
「じゃ一回帰ってご飯食べたらすぐ行きます」
「うん。あの団地のB棟203ね」
先輩はすぐ先の団地を指差した。
「はいっ」
僕はそう約束して一旦家に帰った。…それが罠だなんて気付くはずもなく…。

僕が先輩の家に着いたのは午後1時くらいだった。あまり広くない団地の一室、先輩は僕を中に通してくれた後、飲み物を買ってくる、と言い出した。
「ついでに友達んちにCD返してくるからちょっと留守番しててくれる?」
え、よその家に一人?
「30分くらいで戻るから。あ、ブレスト先観てていいよ。デッキの中に入ってるから再生押すだけでいいし」
先輩はバタバタと出掛けてしまった。…弱ったなぁ…あまり何でも触らない方がいいよね。僕は大きなテレビの前に置かれたソファーに腰掛けたまま、5分くらいただ静かにしていた。
「…やっぱり観ようかな」
このまま30分待つのはあまりにも退屈だ。僕はテレビとDVDプレイヤーのリモコンを使い電源を入れた。ウチのと似たようなデッキだったから、だいたいの操作はわかる。再生ボタンを押して画面を見た。
「えっ!?」
そこに映ったのはブレイブストーリーじゃなく、裸になった男の人と女の人だった。これって…AV?先輩間違えてる…?てゆーか、ブレストのDVDが入ってるって勘違いしてたのかな?…うわぁ、すげぇ…このAVボカシ入ってなくて丸見えだ…。先輩、真面目そうなのにこんなの見てるんだ…。うひゃー、女のアソコってこんなんなってるのか。大人のデッカイチンチンが入ってズボズボゆってる。僕は無意識のうちに膨らんでしまった股間を触っていた。


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