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恥辱遊戯
触れてはいけない秘密
僕だけが知るクラスメイトの秘密がある。学級委員を努める程の優等生なのに、成績優秀でテストの時はいつも学年トップなのに、まさかあんな事をしてたなんて…。

僕が小山秀一の家に遊びに行ったのは珍しい事じゃない。『親友』って程じゃないけど、中学生になって同じクラスになり普通に友達だし。その日曜日は、午前中から秀一の住む団地に遊びに行った。いつものようにゲームしたり、マンガの話をしたり…何も変わらない休日。でも昼食に秀一が作ったラーメンを食べた後、事態は変わっていった。電話が鳴り、秀一が出る。しばらく話した後、部屋に戻ってきてこう言った。
「裕樹、ごめん、ちょっとお母さんの仕事場まで届け物するから、留守番しててくれないかな?」
秀一はお母さんと二人暮らし。お父さんは小さい頃に事故で亡くなったそうだ。だから…言葉は悪いけど、生活も結構大変みたいで、彼のお母さんは日曜日だろうと働きに出てる。ただ、僕は彼のお母さんはあまり好きじゃない。無愛想で、挨拶してもチラッと見るだけで何も言わない。
「うん、いいよ」
「1時間くらいで帰ってくるから。よろしくね」
それだけ言って出ていった。よその家に一人きり。まぁ、何度も来た事あるし、1時間くらいなら待ってられるからいいや。僕は呑気にそう思っていた。

ついさっきまでゲームしたりマンガ読んだりしてて、さぁ何しようか?って話してたとこだったから、意外にもやる事がなくて戸惑ってしまった。う〜ん…そうだ、ビデオでも見ようかな。ラックにある何本かのテープは背表紙に全部タイトルが書いてある。几帳面な秀一らしかった。テレビで放送された映画を保存してあるみたいで、タイトルは聞いた事のあるものばかりだった。その中で観た事のないのは…。僕はガラス戸を開け『パイレーツオブカリビアン』を手に取った。ビデオを観るくらいいいよね。秀一だって怒ったりしないと思うし。テープをケースから出した時、立てて並べてあるテープの後ろに、まだ数本のテープが隠れてるのが見えた。気になってそれらを手に取ってみる。『秘・2001』とか『秘・2002』とか書いてある。何だろう、これ。『秘』なんて書いてあると気になって仕方ない。僕は映画のテープを後回しにして『秘・2001』のテープをデッキに入れてみた。しばらく真っ黒な画面が続いた後、いきなり映ったのは…秀一だった。かなり小さい。数字が西暦だとしたら5年前、小学2年生の映像って事になる。今の秀一をそのまま小さくしたような…面影がどうのって話じゃない。そのまんまだ。今と同じ、眼鏡までかけてる。あまりの変わらなさぶりに思わず笑ってしまった。ビデオの中のミニ秀一は緊張した表情で椅子に腰掛けている。…ん?何か聞こえた。僕は慌ててテレビのボリュームを上げた。
『はい、じゃ名前言ってくれるかな?』
姿は見えないけど、おそらく中年の男であろう声が入ってる。
『小山秀一です』
『何年生?』
『2年生』
『じゃあ…好きな食べ物は何かな?』
『…ハンバーグ』
…何だろう、これは…。ホームビデオにしては様子が変だ。秀一の表情はまるで怯えているようにも見える。
『じゃ秀一くん、着てるシャツ脱いでみようか?』
え…?まさかこれって…。

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あきゅろす。
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