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虚言遊戯
目覚めの時
「何だよ、和真、また小遣いねーのかよ」
プールに行った帰り、みんなでコンビニへジュースを買いに行くのはいつもの事だった。
「だからさっ、お願いっ!100円貸してっ!」
僕が小遣いをとっくに使い果たしてしまって、金欠なのもいつもの事。
計画性を持ちなさい、っていつもお母さんに言われるけど、どうしても買っちゃうんだよなぁ、ドラゴンボールのカード…。そんなわけで、僕は今日も友達にお金を貸りてジュースにありつけた。
「ちゃんと返せよな」
「わかってるって!サンキュー♪」
持つべきモノは友達だよね。

「またな〜」
買い物を済ませてみんなと別れる。全員、帰る方向が違うからこのコンビニが解散場所。
僕はチャリに乗って、公園前通りを抜けて丘の方の住宅街へ帰る。チャリでも結構かかる距離。パックのイチゴ・オレを飲みながらダラダラと帰り始めた。
あ、何か忘れてると思ったら、コンビニでトイレ行こうとしてたんだった。…ま、いいか、公園にもトイレあるし、そこでしよっと。

僕は公園の敷地外の歩道にチャリを止めた。ここなら柵を越えればすぐトイレに行けるからだ。すぐ済むし、チェーンキーも掛けず、水着が入ったバッグやジュースも置いて柵をまたいだ。
いつもなら、遊んでる子供や、昼寝してるおじさんとかでにぎやかな公園だけど、たまたまその日は人が少なかった。
僕は別に気にもせずトイレに入る。手洗い場に、おじさんが一人いた。鏡越しに僕をジッと見てる。やな感じ。…いけね、漏れちゃう漏れちゃう。便器に向かうと、おじさんが声を掛けてきた。
「ねぇ、ボク」
「何?」
「これからおしっこするの?」
「うん」
「ちょっと…頼みがあるんだけどなぁ」
何なの?早く言ってよ、漏れちゃうよ。僕はチンチンを押さえてモジモジした。おじさんは、空のペットボトルを僕に差し出す。
「この中に…おしっこ入れてくれないかなぁ」
はぁ?何で?やだよ、そんなの。僕が明らかに拒絶の表情を見せると、おじさんはすかさず言った。
「千円払うから」
マジで?僕のおしっこを買うの?
「ホント?」
「あぁ、ホントだとも」
と、ポケットから千円札を出した。千円あったらカード何枚買えるんだっけ?あ、その前に借金返さないといけないか。
「絶対だよ?」
「約束する。いや、先にあげよう」
僕はお金を受け取った。うわ、ホントにくれたよ。どうせ下水に流れていくだけのおしっこをあげて、千円も貰えるなんて。
ペットボトルも受け取り、キャップを外した。飲み口が広いタイプだ。僕はその場でハーパンをずり下げてチンチンを出し、飲み口の中に入れた。すっぽり入ったところでジョ〜ッておしっこを出す。おじさんはその様子をジッと見ていた。我慢してただけに、500mlのペットボトルに半分くらいすぐに溜まった。
「これくらいでいい?」
まだ出るけど、一旦おしっこを止めて聞いた。
「まだ出るなら…別の方法で買い取ろうか?また千円あげるから」
別の方法って何だろう?でもまた千円くれるなら、このまま全部出さない方がいいみたい。
「うん、いいよっ」
僕があっさりOKすると、おじさんは個室について来るよう手招きした。隠れてやる事って何だかドキドキするから好きだ。おじさんは一体何をするつもりなんだろう…?


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