前世はきっとハリケーン 4 ざっくり話すと、ここまではほんのプロローグにすぎなかった。残念なことに。 始まりは、幼なじみのたった一言。 俺を地獄に突き落とした、入学2日目の昼休み。調度、体育館から帰ってすぐだった。 「なあ拓哉」 「あ?」 耳打ちしてくる晃平の息が耳に当たる。気持ち悪い。 「俺さ、この学校王道校に変えようと思ってんだけど、」 どう思う?だそうだ。 「どう思うも何も…俺は巻き込まれなければ何でもいい」 「それがさー、拓哉の協力なしにはできな」 「断る」 これ以上被害を被るのなんて真っ平御免。俺は日々平穏に暮らしたい。 「悪いようにはしないからさー。あっ脇役主人公になりたければそれでも…いや拓哉はやっぱ総受けか…?」 「耳元で呪文を唱えるな」 呪われでもしたら堪ったもんじゃない。 「あ、一緒にやってくれる?」 「いやそんなこと一言も…」 「拓哉がいれば100人力!ありがとなー!」 「いや承諾してない。というか何をするんだ何を」 というか、王道ってなんなんだ。 ←→ |