短編 死に場所は何処? 死神になった親友が言うには、今夜俺は死ぬらしい。 確証とは行かないが、俺自身も分かっている。 いるはずのない親友がいることが、俺を納得させているのかは定かではないが、不思議と死ぬことへの恐怖はない。 寧ろ生きている間の苦しみの方が、恐怖が強い。 今まで生きて来れた事に祝杯を挙げたいものだ。 さて、ここで問題なのは死に場所だ。 いくらなんでも職場で死ぬわけにはいかず、俺は有給休暇をとった。 死に場所を求めるなんて、酷く滑稽だ。 奇跡を信じている者たちはこんなときには神に祈るのだろうか 馬鹿馬鹿しい事このうえない。 見ていたテレビの電源を切り、俺は着替えて外に出た。 冬だと言うのに、変に暖かい。 何故だろうか、こんな日には学校に行きたくなる。 俺とあいつが過ごした学校に 行ってみようか その日も何故か 空は晴れ晴れとした晴天だった。 ‐死に場所を求める屍のように‐ [*前へ][次へ#] [戻る] |