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白崎学園
月島、再び



なんで隣に座るんだよ!!つか、俺を挟んで喧嘩するな!!

俺は今、和也とあの月島(+その仲間たち)に挟まれて、尋常じゃない程の汗をかき、怒りを覚えている。
大体なんだってこんな平々凡々な俺が、こんな不良共に囲まれなければならないんだ。
和也はともかく・・・。

さかのぼること五分前。

「春、なにが食べたい?」
「んー、じゃあこのモーニングセットってやつとオレンジジュースで」
「分かった・・・・・・モーニング二つと、オレンジとブラック一つずつ」
「かしこまりました」

どこぞの高級レストランのようなここは、白崎学園の食堂である。
金持ちはこんなとこにも金を使いたがるのか・・・。
全く、理解できん。
和也と会話をしながら、頭で今日一日の計画を立てる。
これは俺の毎日の日課だ。
和也がいても、とりあえずは普通に暮らせる。
たとえこいつが不良でも、俺は平々凡々な生活を望んでいるのだ。必ずまっとうしてやる。
そう意気込んで、たった今、ボーイが運んできたオレンジジュースに手を伸ばした丁度そのときだった。

「あー、そこにいるのは光槻春と秋原和也じゃん」

間延びした声が背中越しに聞こえる。
一瞬で、背筋が凍るような感覚に陥った。
恐る恐る振り返るとそこにはあの月島暁夜がたっていた。
背後に十人程の不良さんを連れて・・・。


「何のようだ」
「別に?朝飯食いにきただけだけど?」
「じゃあ、春の隣に来る必要なんてないだろう・・・さっさとどっかに移れよ」
「ええ〜・・・やだ」
「てめぇ・・・・・・調子のんなよ」
「秋原こそ何で光槻の隣に座りなおしてんだよ・・・」

そして、俺を挟んで喧嘩をし続ける二人を無視しつつ、現在にいたる。



「どうでもいいけど、黙って食えないなら二人とも別のところ行って」
『すみません』

そろそろ和也と月島の喧嘩に付き合うことで覚えていた怒りが爆発する。
冷めた声で二人にそういうと、二人はそろって誤った。

「あんたらのおかげで周りから受ける視線が痛いんだよ・・・」
『ごめんなさい』

最後の一口を口に運んで、俺は席を立つ。
後ろから聞こえる二人の声と、一般人+月島の仲間?たちから受ける視線を軽く受け流して、俺はそのままそこを離れようとする。
・・・・・・が、突然前方に現れた巨体に、それをさえぎられてしまった。

「・・・ったぁ・・・あ、すみません」
「あ・・・いえ、こちらこそ・・・って、光槻くん?」
「寮長?」
「丁度よかった!!君を探してたんだ」
「はい?」
「面会人だよ、後で応接室に案内するから、ご飯食べたら寮長室までおいで」

寮長の言葉に、俺は目を丸くする。
探してたうえに面会人だと?

「寮長・・・ご飯、もう食べました」
「・・・ん?ああ、ご飯はもう食べたんだね?じゃあ、今から行こうか・・・案内するよ」
「はぁ・・・」

転入早々面会とか・・・そんなのあるんだな。
微妙な表情を浮かべたまま、俺は寮長の後についていった。



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