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夢訪問(夢幻の双刃サンプル)
夢ー9
その日の籐沢の夢も桜が舞っている。
 籐沢には夢の中で合流しやすいために未沙と同じブレスレットを付けてもらっているからすぐに合流出来た。
「なぁ散々探してるのに何で見つからないんだろうなぁ」
「そうだなぁ〜・・もしかして誰かが女装してたとか?」
「そんなわけねぇよ!あれは正真正銘の女の子だ!」
 さりげなく警告するつもりだったのにバッサリと否定してきたなぁ。
 今夜も僕と未沙は籐沢の夢に潜り、本人に会っている。また無喰に出くわしてしまう可能性がある以上は放っておくわけにはいかないから。今のところ遭遇はしてない。
「でもうちの学校って中性的な男子生徒わりと見掛けるから女装かもしれませんよ?」
 未沙の援護射撃はありがたい。しかし
「何のために女装するんだ?」
「えっと、趣味?」
「彼女はそんな変態に見えなかったぞ!」
「へ、変態って人の趣味をどうこう言うのは良くないだろっ」
「そうですよっっ綺麗に女の子になりきれてたら立派じゃないですかっ。あっもしかして女装の演技が必要だったかもしれませんよ。」
「なるほど。演劇部かもしれないのか。いや演劇部に女子結構いるぞ。必要ないだろ。」
「えっと、需要あるからとか?」
もう帰りたい。会話は二人に任せて僕は無喰を探すことに集中してしまおう。
「そうだもし彼女見掛けたら教えて欲しいから連絡教えてくれ。」
「じゃあ明日にでも斎先輩に聞いて下さい。」
「わかった。そういうわけだから獏凪よろしくなっ。もちろんお前のも教えろよ。」
「えっ。仕方ない、明日。」
「何だよ仕方ないって。まいいや。」
 僕としてはこの件が終われば籐沢と関わる気はないし、万が一あったとしても僕の女装だとわかった時点で変態扱いされるだろうから教えたところですぐにアドレスから消されるだろう。
 無喰はもしかしたら今日はでないのかもしれないと思えてきたのにしっかりでてきたので木刀で切った。
手ごたえはもちろんない。やはり本体はどこかに隠れているのか。


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