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夢訪問(夢幻の双刃サンプル)
夢ー6
恐ろしい事に僕、籐沢、少し離れて未沙、その後ろに黒い塊が両手を上に伸ばして駆けている!
 いくら関わりたくない相手でも無喰が出れば話は別だ。
 僕は地面を蹴って高く飛ぶと木刀を構えて無喰に振り下ろす!
 砂が崩れるように消える。
 まただ。手応えがイマイチない。もしかしたら本体を倒せてないだろうか。
「なあ獏凪っ何だよさっきのはっあと何でお前らが俺の夢にいるんだよ!これってただの夢じゃないよな?」
 後ろで籐沢が睨んでる。さすがに誤魔化すのはムリか?
「さっきの化物は無喰と言って人の夢に入り込み生きる気力を奪うんだ。僕の家系はそれを退治してるんだ。」
「生きる気力って、最終的に殺すって事じゃねぇか!」
 理解力が早くて助かる。
「ていうかお前少し前から性格変わってねえか?前は人をバカにしたような態度だったよな?」
 え、亜岐と僕の違いが判るの?
「性格の事はともかく、さっきの無喰は手応えなかったよ。多分倒せてないと思う。」
「じゃあまた出るって事だよね。」
「そういやこの子は?ここにいるってことは獏凪の血縁者ってわけだから後輩というより親戚か?」
「あ、自己紹介遅れてごめんなさい。私は一年生の榊原未沙です。親戚とかじゃないけど先祖が繋がってるみたいで斎先輩と会ってから夢に潜る力がついたみたいです。」
「親戚じゃないのにって、まいいや。で、さっきの化物がまた出るってどうするんだよ。」
 それが一番の問題だ。本体を倒さなきゃいつまでも籐沢の夢に出てきてしまう。
 やはり木刀じゃなくて浄化屋として使う刀を使った方が良かったのだろうか。でも正式な依頼ではないし、武器がしっかりしたものでも原因が籐沢自信となれば意味ないか。
「籐沢は何か悩んでる事とかあるのか?桜が舞っている時に関係するような事とか。」
 あ、今驚いた顔になったぞ。これは春に何かあったという事だろうか。
「い、言わなきゃダメか?」
「言ってくれた方が助かるとおもいますよ。」
「一時の恥と命のどっちが大切か考えてほしいんだけど。」
「それ言われたら命だろ。まぁ恥っていうか心残りだな。」
 籐沢が言うには今年の春、始業式の翌日に桜並木の下で美少女を見掛け暫く見とれていたが我に返って追いかけると彼女は図書室に入っていき、自分も図書室に入ったが見つからなかったようだ。 


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あきゅろす。
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