夢訪問(夢幻の双刃サンプル) 夢ー4 席を立つと制止の声を出されたけどここは無視して廊下に出る。 すると僕に話しかけていた生徒に友人たちが群がってからかいだした。うん、それでいい。 それにしても記憶があるなんて遠い血筋か?その可能性はあるね。 彼は確か、籐沢(とうざわ)大樹(だいき)だったな。籐沢、とおざわ、トオザワ・・・・・家に帰って調べてみるか。 その日帰ると僕は家系の資料を漁ってみたが藤沢は見当たらなかった。 血筋とかではなく稀に影響を受けないというか特異な体質の者もいるけどそういうことか。まぁそれでどうというわけじゃないだろう。 血筋でなければ夢の中で会うという事は多分もうないだろうし、昨日はたまたま知り合いの夢に入ってしまっただけなんだ。 そして夢に住み着いていた無喰は倒せたのだから問題はないだろう。 スマートフォンに通知が入っていたから確認すると未沙からで夢に潜るときはまた同行したいらしい。 いくら僕の事を知ってるとはいえ素人を巻き込むのはどうかと思わなくはない。 だけどもし彼女が一人で誰かの夢に入ってしまって無喰にでも襲われたら?無喰の手にかかれば最悪命を落とす危険がある。 昨日の事だって彼女は他人の夢に潜ろうとしていたわけじゃなく偶然なのだ。 もしかしたら夢の中に潜る事が可能になって、僕と会わなくても潜っていたかもしれない。それならまだ戦える僕と一緒の方が少しはマシかもしれない。 幸いな事に未沙の家は歩いて行ける距離だ。僕は未沙に渡すものがある事を伝えて家を出た。 夕方話した通りに僕は未沙の夢の中に入ると彼女もこちらに気付いて手を振ってきた。その腕には目印である赤い石のブレスレットを付けている。これを付けている者同士は意志を持って互いに会う事が出来る。 「斎先輩。私も一応武器になりそうな物持ってきたよっ」 武器というのは50cmのものさしかな? 「こんなのしかなかったけど何かあった方がいいでしょ?」 僕は別に未沙を戦わせるつもりはないけど、もしものために何もないよりはマシかもしれないな。 特に誰の夢に潜る予定はなかったからこのまま未沙の夢の中を散策することにした。 バスケットボールがいくつか飛んでいたかと思えばゴールが川を流れていったり体育の授業はバスケだったのだろうか。 [*前へ][次へ#] |