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宵々町奇譚〔学園祭編〕
学ー4
「ありがとうっ」
 何か頭に被せられた!?
「あぁ〜・・・なんて可愛いのでしょう・・・・・」
 うっとりした表情で麗斗君が言いながら一枚スマートフォンで写真を撮る。鏡の中の僕は腰くらいまであるウェーブの金髪の女の子になっている。
「なっなんでっっ」
「最初はストレートにしようと思ったのですがビーと間違えられそうですからねぇ。」
「ストレートかウェーブかなんて聞いてるんじゃないよ!?」
「だってウィッグ被った方が可愛さを引き立たせてくれるでしょう?」
 麗斗君の言うビーとは隣のクラスのビーナさんのことで僕らミステリー研究会のメンバーで、栄誉あるミス神輿だ。そんな校内一の美人と比べること自体図々しいのに!
「いやぁぁぁぁぁぁぁっっっ茂たん最高よっっ!」
 本田さんがスマホで連写しだしたっ麗斗君までっっ
 僕の周りを動き回って撮りまくる二人が怖くて僕は動けない。
「さて気が済んだところでカフェの方に行きましょうか。」
 麗斗君は冷静に言ってるけどさっき僕の回りをイイ笑顔で駆け回ってた姿は忘れないぞ!このギャップにみんな引いてるんじゃないの?
 周りを見るとその場にいたクラスメイトが全員スマホポケットにしまったけどなんでみんな嬉しそうな顔なの?麗斗君のあんな姿が嫌がられなきゃいいけど・・・・・ん?つまり僕の女装姿撮られたんだ!
 ま、まあ僕が女装で美少女になるわけないしどうせお客さんの注目は全部麗斗君に持ってかれるに決まってるから気にする事なんてないんだよね。

 僕の思った通りボーイ姿の麗斗君は人気だ。お客さんから写真を求められれば笑顔で応じてる。
 予想外なのは僕も写真を求められる事が多い事だ。断る事もできるから僕はなるべく断っているけど何故か女子からは麗斗君とツーショットを求められる事が多い。ときどき昌都君と求められることもあると断りにくい。これって麗斗君や昌都君一人だと頼みにくいから僕に声かけてるんだよね。
「すみませーんっ新聞部ですが今日は色々なクラスで撮らせてもらっているのでここも撮らせて貰えますか?」


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